輸血事業の取り組み
小笠原村での備蓄血体制の整備について
■ブラッドローテーションシステム
緊急輸血体制については、症例がない又は、少ないという点、交通アクセス等の状況から空路以外解決の糸口がないと感じていた。
世界遺産登録を機に来島者が増し、特に登録初年は心停止を伴う重症患者の発生が連続したことから備える、備えられる体制をより早く構築する必要性が高まった。
さらに、小笠原村診療所は平成22年度より新施設となり、村民から新たな医療サービスの期待が寄せられる規模となり、スタッフの増員もおこなった。
平成23年度から開始された、安全な血液を常時備蓄し有事に備える課題は、各機関の協力と努力により前進し、ついに小笠原村においても、日本赤十字社から提供される血液が、廃棄されることなく備蓄され、善意ある血液が無駄になることなく、民生の安定に貢献でき得る仕組みとして確立された。
小笠原村の医療を一歩前進させた、小笠原ブラッドローテーションシステムを紹介する。
尚、小笠原ブラッドローテーションシステムは、小笠原村に限らず、各々異なる環境を有するへき地、離島においてその創意工夫と関係機関の協力、努力により、そこで働く医療スタッフへの一助となるべき可能性を秘めた取り組みである。
今後もより発展していくことに、この場を借りて関係者の皆様に感謝し、引き続き協力をお願いしたい。
小笠原村診療所・母島診療所
小笠原村医療課長
平成28年11月1日
輸血事業の取り組み