部署紹介

母島診療所

母島所長挨拶


母島診療所 所長 阿部 一貴

小笠原村では父島、母島に島民が住んでおり、人口は父島が約2000人、母島が約500人です。夏季などを除き、約1週間に1回程度の旅客船(おがさわら丸)で東京から父島まで24時間、さらに父島からの旅客船(ははじま丸)で約2時間以上かかる母島は他の有人離島と比べ遠隔地になっています。

東京都の島しょ地区は少子高齢化が進んでいますが、他の離島と異なり、母島は人口の約4分の1を小児が占めており、活気にあふれています。気候も温暖で、島ぐるみでの活動も多い暖かな島です。

そんな母島の唯一の診療所である母島診療所では島内の全ての診療を行い、診療所で対応できない患者は自衛隊や海上保安庁、東京都などと連携し東京都本土の高次医療機関への緊急搬送を行います。また、保健・福祉との連携などは多岐にわたり、地域住民と密接に関わる医療を行っております。

これらの医療は専門科診療の進む一般病院などではなかなか経験できません。科という枠組みを取り払った地域医療の醍醐味である全人的医療を経験できます。

豊かな自然と活気あふれる地域医療の最前線で、ここでしか出来ない医療を一緒に行いませんか。

母島診療所で看護師として働く

<看護の特徴>
島唯一の医療機関のため、通常診療はもちろん、救急医療から看取りも含めた訪問診療まで、医療としてできることはすべて提供します。入院病床は4床あるものの、給食施設がないため、長期入院には対応できません。そのため、父島や内地での入院となります。ただ、積極的な治療を希望されない島民の「島にいたい」という希望に添える看護を、医師とともに、ケアマネージャーや保健師と連携をとりながら実施しています。

<勤務体制>
母島診療所の看護職は3名(看護師2名・助産師1名)です。
平日の8時~17時15分(昼休憩は12時~13時30分)の勤務となります。
上記勤務時間以外は当番体制となります。
専門診療実施時などは休日勤務も発生します。
年休消化率は100%です。(年次休暇20日 夏季休暇5日)

<当番体制とは>
上記の勤務時間以外は、当番制になります。当番にあたった看護師が当番携帯を持ち、休日夜間に関わらず、けがや急病で診療所にかかりたいと患者から連絡がはいった場合、医師とともに受診対応をします。担当日数は、看護職3名で分担しますので、10日間/月前後です。感染症の流行り具合などで左右されますが、1~2名/週の受診対応をします。重症例では全員で対応します。

この当番に対しては、患者が発生しなくても当番手当がでますし、患者に対応した時間は、超過勤務手当がでます。(当番手当が発生するため、当番日の飲酒はできません)

<施設設備>
カルテは電子カルテ(HOPE SX-S)です。
CT、レントゲン、各種検査機器、救命機器など、患者を救命するためには必要最低限ですが、超遠隔離島としては、最高の設備が整っています。ただ、レントゲン技師、臨床検査技師は常駐していませんので、看護職がこれらの機器を使いこなさないといけませんし、メンテナンスなどの機器管理も行います。大体2~3か月で検査やレントゲン介助が実施できるようになります。

<母島での生活>
海が荒れて船が欠航になると、大事な予定が一切キャンセルされますが、「しゃーない。船が来なかったんだもん」と割り切ることのできる島民性とともに、なければないなりに創意工夫して楽しく過ごす生活。

平日の夜や休日は、バレーボールやフットサル、フラダンス、コーラスなどなど、たくさんある部活から好きなものに入り活動したり、ガジュマルの木の下でお酒を飲んだり、家でゆっくり過ごしたり、自分の好きなように過ごす生活。

大きなスーパーやコンビニ、深夜遅くまでやっている居酒屋はないですが、人間らしく落ち着いた生活ができる島です。もちろん、内地で何かあった時に、すぐには駆け付けられない海外より遠い島であり、いい事だけではありませんが、人生の一部として一度体験してみるのも面白いと思います。


農家さんの差し入れ


診療所からの景色


ヘリポートでの虹

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