診療所について

所長挨拶


小笠原村診療所 所長 亀﨑 真

 小笠原村診療所のホームページにアクセスいただきありがとうございます。

 当診療所は、東京竹芝桟橋からはるか南へ約1000km、世界自然遺産小笠原諸島父島の島で唯一の医療機関です。その歴史は、戦後米国統治下にあった小笠原諸島が昭和43年に日本に返還され、それに伴い設置されたのがはじまりです。現在の診療所は平成22年に完成した鉄筋2階建ての近代的な建物で、1階に外来、CTを含むレントゲン室、手術室が、2階に入院病床と有料老人ホームが併設されております。診療所には現在、医師3名、歯科医師1名、看護師13名、薬剤師1名、放射線技師1名、理学療法士2名、歯科衛生士1名、歯科技工士1名、管理栄養士1名、事務4名、医療事務4名と、併設の有料老人ホームには介護職員16名、調理師5名で、総勢53名のスタッフで島の医療と福祉を担っております。

 当診療所は島民の健康管理はもちろん、毎年2万人ほどの観光客、南方の海域や島々で働く工事関係者、漁業関係者や船舶船員の方々など国籍や疾患を問わず、要請があれば24時間365日、診療科を問わず全ての患者様を受け入れております。そのため診療範囲は、救命を必要とする三次救急から外傷・急性期疾患・慢性疾患・在宅医療まで多岐にわたり、昼夜を問わず医療を提供すべくスタッフ一同奮闘しております。

 しかしながら、医療の進歩はすさまじく、常勤医だけで全ての疾患をカバーすることは難しく、内地の協力病院から各科専門医の先生に来ていただき、定期的に専門診療を実施しております。また都立病院との間で、レントゲンやCT画像の転送システムを活用し、内地の各科の先生方と綿密に連携を取り合いながら診断から治療まで進めております。

 薬剤や医療材料を運搬する定期船「おがさわら丸」は週1便のため、医療資源にも限界があり、診療所の規模からも治療内容は必然的に制約されているのが現状です。緊急手術やより高度な専門的治療が必要な救急患者は、島には空港がないことから海上自衛隊の協力のもと、ヘリコプターや海上に離発着する飛行艇US-2で数時間かけて本土の都立病院等へ搬送しています。このような超へき地という厳しい立地条件だからこそ、国・都・村などの自治体や自衛隊、警察、海上保安庁、村の消防団など島のありとあらゆる機関が連携し、協力し合い医療を支えていこうという熱い思いがあります。平成26年度も27名の救急患者を本土の病院へ搬送し、治療を受けていただきました。

 また教育機関としても平成29年度から新設されます総合診療医専門医制度の地域研修施設として指定を受け、研修医の受け入れを行い、若い総合診療医の育成にも貢献してまいります。こうして育った若い総合診療医たちが将来、小笠原村診療所へ戻ってきてくれることを期待しています。

 小笠原村は高齢化率が全国で最も低く、子供や若年層が多いため明るくて活気があります。一方では、大病を患うと島で暮らしていくのは難しいということでもあります。幅広い世代にわたる島民の皆様の声に耳を傾け、健康推進に向け啓蒙活動なども積極的に行ない、健康で安心して暮らせる島であり続けるようスタッフ一同、努力してまいります。

小笠原村診療所所長 亀﨑 真

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